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税理士に依頼する事業計画書作成の流れと費用感税理士と共に作る事業計画書のメリットと効果

公開日:2025/05/29

最終更新日:2025/05/29

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事業を成長させる上で、「融資」と「経営計画」は避けて通れないテーマです。中小企業や個人事業主にとって、金融機関からの信頼を得て資金調達を実現するためには、精緻で説得力のある事業計画書が不可欠となります。

では、その計画書を“誰と作るか”によって、結果が大きく変わることをご存じでしょうか?

この記事では、税理士と共に事業計画書を作成することの具体的なメリットと効果について、データや事例を交えながら詳しく解説します。

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なぜ“税理士と一緒に”作成すべきなのか?

事業計画書は、ただの「夢」や「やりたいこと」ではなく、金融機関・投資家・支援機関など第三者に対して、事業の実現性・収益性・成長性を説得力ある形で示す「勝負の書類」です。

しかし、経営者が単独で作成する場合には以下のような3つの大きな課題が立ちはだかります。

① 専門知識の不足:会計・財務・税務が“なんとなく”になってしまう

事業者自身がビジネスには詳しくても、財務三表(PL・BS・CF)の整合性や、キャッシュフロー予測、節税戦略など、金融機関が注視する“数字の言語”については専門的な知見が求められます。

例:
・設備投資後の減価償却スケジュールが抜けている
・税引後利益とキャッシュフローの違いが整理されていない
・業界標準との比較がなく、現実性に欠ける

こうした“粗い”計画は、融資審査でマイナス評価の対象になります。

② 客観性と信頼性の欠如:「自己申告」だけでは説得力に欠ける

第三者に提出する計画書にとって重要なのは、“誰が”作ったかという信頼の担保です。

金融機関や支援機関にとって、税理士が関与した計画書には以下の信頼があります:
・数字の整合性が担保されている
・業界動向・法制度も踏まえて現実的
“身内評価”ではなく、第三者視点でのリスク評価が加味されている

→事業者単独で作成した「ポジティブすぎる計画書」は、逆に不信感を与えることすらあります。

③ 時間と労力のコスト:本業に集中できず、生産性が落ちる

事業計画書の作成には、以下のような膨大な作業が発生します:
・売上・費用の将来予測の算出
・キャッシュフロー表の作成
・市場分析・競合分析・リスク評価
・金融機関のフォーマット対応
・補助金・助成金要件の確認と組み込み

これらを事業者ひとりでやろうとすると、2週間〜1ヶ月以上かかることも珍しくありません。その間、本業や営業活動に支障が出る可能性もあります。

→税理士と連携すれば、3日〜1週間で完成するケースも。時間という資産を大きく節約できます。

税理士と協力する4つの主要メリット

① 財務・会計の専門知識の活用

税理士は損益分岐点分析、資金繰り予測、キャッシュフロー計算など、専門的な財務指標を用いて、現実的かつ説得力ある計画書を作成してくれます。

・正確な財務予測と分析
・業界標準に基づく財務指標の最適化
・リスク評価と資金調達戦略の立案

② 融資成功率の大幅向上

税理士は金融機関が重視する審査ポイントや書式要件を熟知しており、融資通過の確率が飛躍的に高まります

・融資成功率が45% → 85%に上昇
・審査期間が平均50%短縮
・書類不備が90%削減

③ 節税対策の最適化

事業計画に税務視点を織り込むことで、将来的な税負担を予測しながら、合法的な節税スキームを導入可能です。

・補助金・助成金活用のアドバイス
・中長期的な税コストの可視化
・年間で30〜50万円の節税効果も期待

④ 継続的な経営支援

税理士は単なる“作成代行”にとどまらず、計画実行後のフォローや修正支援も提供します。

・財務状況の定期分析
・KPIモニタリングと戦略修正
・経営判断の伴走支援

税理士と協力する4つの主要メリット

実際の成果指標と数値効果

税理士と協力して事業計画書を作成することの真価は、定性的な安心感だけではありません。実際の数値によって、明確な投資対効果(ROI)と経営改善効果が立証されています。

ここでは、PDF資料に基づき、主な成果指標を詳しく見ていきましょう。

1. 融資成功率:45% → 85% に上昇(+40%)

税理士のノウハウにより、金融機関の審査基準に合致した書類が作成されるため、融資の承認率が約2倍に跳ね上がります

特に以下の要因が、成功率向上の要因となっています:
・金融機関が好む書類フォーマットの整備
・審査官に刺さる「説得力ある」数字・論理構成
・財務的根拠に基づく現実的な収支計画

2. 書類作成時間:平均2週間 → 最短3日(約70%短縮)

単独での作成では、数字の整合性や表現の工夫に時間がかかりがちですが、税理士と協力すれば、必要なデータを正確に素早く整えることができます

税理士が既にクライアントの財務状況を把握している場合、資料の取り寄せ・分析の手間も大幅に削減され、3営業日ほどでドラフト提出まで進める事例もあります。

3. 書類不備率:90%削減

金融機関の融資担当者にとって、不備のある書類は“即NG”の対象となり得ます。
税理士と共に作成した事業計画書は、書類のフォーマット・内容の整合性・添付資料の網羅性において優れており、不備率が大幅に減少します。

このことは、再提出や修正対応によるタイムロスを防ぎ、審査期間の短縮にも寄与します。

4. 節税効果:年間30〜50万円のコスト削減

税理士は、融資だけでなく「税の最適化」においても大きな役割を果たします

例えば:
・減価償却のタイミング調整
・交際費の計上判断
・補助金・助成金の課税関係把握
・将来の繰延税金資産・負債を見据えた設計

こうしたノウハウを盛り込むことで、合法的に数十万円の税コストが削減されるケースも珍しくありません。

5. 時間価値:年間100〜150万円分の業務効率化

経営者が事業計画に使う時間を短縮することは、本業に集中する時間を確保することでもあります。

・書類作成・修正の時間
・金融機関とのやりとり
・不備対応・修正再提出

これらにかかる手間を減らすことで、1年間あたりに換算して100〜150万円相当の“人件費価値”が創出されるとの分析もあります。

6. ROI(投資収益率):15倍超

これらすべてを踏まえると、税理士に支払う年間費用(50〜80万円程度)に対して得られる価値は、平均で1,200万円以上に上ると試算されています。

その内訳は以下の通り:

効果内容 金額目安
融資調達額 1,000万円以上
節税メリット 年間30〜50万円
時間短縮による価値 年間100〜150万円
総合効果額 1,200万円超

年間投資額50〜80万円に対して、15〜20倍の価値が期待可能という、非常に高い費用対効果が得られるのです。

具体的な効果と成果


税理士選びのポイント

事業計画書の成否は、「誰と作るか」で大きく変わります。特に融資や経営改善を目的とする場合、「顧問税理士がいるから安心」ではなく、目的に合ったスキルと経験を持つ税理士を選ぶことが重要です。

以下では、実際に効果的な事業計画書を作るうえで、押さえておきたい税理士選びの判断軸を6つに分けて解説します。

① 実績と経験:「融資支援の成功事例」があるか?

【確認ポイント】
・過去に何件の融資支援を行ってきたか?
・どの金融機関との取引が多いか?
・同業種・同規模の事業に対する支援経験はあるか?

税理士にも得意分野があります。「記帳・申告」は得意でも、「金融機関対策」や「戦略支援」は不得手なケースもあるため、融資に特化した経験値があるかを必ず確認しましょう。

② 専門性:資金調達や経営支援に強いか?

【確認ポイント】
・財務モデリング(CF予測・資金繰り表など)ができるか
・補助金・助成金の制度に精通しているか
・事業計画書のひな形を提示できるか

税理士という肩書だけではなく、事業の成長支援に伴走できるスキルセットがあるかがカギです。「申告書作成」以上の支援を望むなら、戦略・財務・資金調達に詳しい税理士を選びましょう。

③ コミュニケーション力:話が通じるか?伴走できるか?

【確認ポイント】
・相談時のレスポンスは早いか?
・専門用語ばかりで説明してこないか?
・相性・信頼関係が築けそうか?

経営者と税理士の関係は、長期的な「チーム」です。
一方的に数字を押し付けるだけではなく、経営者の言葉に耳を傾け、一緒に考えてくれる税理士かどうかは非常に重要です。

④ 料金体系の透明性:コスト感とリターンを見極める

【確認ポイント】
・顧問料(月額3〜5万円程度)が明示されているか
・成功報酬(融資額の2〜5%)の根拠は明確か
・着手金・追加料金の条件が開示されているか

「料金が安い=良い」ではありません。
むしろ、「融資成功1,000万円で報酬50万円なら投資対効果は抜群」といった考え方も必要です。不透明な費用請求や高額な前払いには注意が必要です。

⑤ 体制・スピード感:どれだけ“実務力”があるか?

【確認ポイント】
・書類の作成スピード(3日〜1週間程度が目安)
・チーム体制か、個人ワンオペか
・事務所の規模・支援実績・レビュー体制

スピーディーな支援を希望する場合は、税理士本人+スタッフによる分業体制が整っている事務所が有利です。規模が小さすぎると、時間がかかるケースもあります。

⑥ 面談時に確認したい質問例

実際に候補者と会う際は、以下のような質問を用意しておくと安心です。

質問項目 意図
過去の融資支援件数と成功率は? 実績の確認
同業界の事業計画書作成経験は? 業界理解
金融機関との関係性はありますか? 情報ルートの有無
作成期間・スケジュール感は? 実行力
顧問契約後のサポート体制は? 継続支援の有無
料金の内訳と追加費用の有無は? 透明性の確認

⚠ 避けるべき税理士の特徴

・高額な前払い報酬を求める
・過度に「融資成功を保証」してくる
・「全部お任せください」と言って内容説明を避ける
・専門用語ばかりでコミュニケーションが不親切
・レスポンスが遅く、連絡がつきにくい

税理士選びのポイント


税理士との協業は“コスト”ではなく“投資”

▷ 費用対効果(3年間換算)

投資内容 概算費用
事業計画書作成 12〜15万円
顧問料(月額) 3〜5万円
成功報酬(融資額の2〜5%) 融資額により変動
年間総額 約50〜80万円

これに対し、

融資調達額:1,000万円以上
節税効果:年間30〜50万円
時間価値:年間100〜150万円分の短縮
ROI:15倍以上

と、非常に高い投資効果が期待できます。

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まとめ

この記事では税理士に事業計画書を依頼するメリットについて書かせていただきました。

記事ががお役に立てば幸いです。

執筆 ・ 監修

平川 文菜(ねこころ)

熊本出身。2018年京都大学卒業。在学中より税理士試験の勉強を始め、2018年12月に税法三科目(法人・消費・国徴)を同時に合格し、官報合格を果たす。 2018年9月よりBIG4 税理士法人の一つであるKPMG税理士法人において、若手かつ女性という少数の立場ながら2年間にわたり活躍。税務DDやアドバイザリーといった幅広い業務に従事。 2020年9月より、外資系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループに転職。戦略策定から実行支援まで幅広い業務に従事。2024年12月にフリーランスとして独立。