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経理職務経歴書作成のための完全ガイド:自己PRのコツも紹介

公開日:2025/03/17

最終更新日:2025/04/06

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職務経歴書は単なる業務の羅列ではなく、採用担当者に即戦力を伝えるための武器です。  

経理職の採用で重視されるのは、どのような業務を経験し、どのような成果を上げたのかです。  
数値を用いた具体的な実績や、業務改善の工夫を盛り込むことで、あなたの市場価値が伝わりやすくなります。
未経験から経理職を目指す場合も、過去の経験を活かしたアピール方法があります。
経理経験者は、決算の早期化やコスト削減など、企業に貢献した成果をしっかり伝えましょう。  

書き終えたら、必ず誤字脱字をチェックし、第三者の目で客観的に確認するのが成功の鍵です。  
転職エージェントに職務経歴書を見てもらうと、採用担当者目線でのブラッシュアップが可能になります。  

この記事では、未経験者・経験者それぞれに適した職務経歴書の書き方を詳しく解説していきます。

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経理の職務経歴書とは?

職務経歴書とは、これまでの職務経験やスキルを整理し、採用担当者にアピールするための文書です。経理職においては、単なる経歴の羅列ではなく、「どのような業務を担当し、どのような成果を上げたか」を具体的に伝えることが重要です。

職務経歴書の重要性と目的

1. 採用担当者に適性を伝えるため

経理職は企業の財務管理を担う重要なポジションであり、正確性・責任感・専門知識が求められます。職務経歴書を通じて、これらの能力があることを証明する必要があります。

2. 自身の市場価値を明確にするため

職務経歴書を作成することで、自分がどのようなスキルを持ち、どのような業務に強みがあるのかを整理できます。これにより、適した求人を選びやすくなります。

3. 面接の際の説得材料として

面接では、職務経歴書の内容をもとに質問がされます。具体的な実績や経験を記載しておくことで、面接時にスムーズに説明でき、説得力のあるアピールが可能になります。

経理職務経歴書が求められる理由

1. 専門性の証明

経理業務は企業の経営に直結するため、単なる事務作業ではなく、高度な専門知識が必要です。職務経歴書には、以下のような具体的なスキルを記載することが求められます。

・会計業務(仕訳、月次・年次決算、税務対応など)
・財務管理(資金繰り、銀行折衝、予算管理)
・使用した会計ソフト(勘定奉行、freee、SAPなど)
・業務改善・効率化の取り組み

2. 経験の可視化

経理業務は数字の正確性が求められるため、実績を数値で示すことが重要です。たとえば、
✅ 「月次決算を通常10日かかるところを5日で完了」
✅ 「コスト削減のため、経費精算システムを導入し年間○○万円削減」
など、具体的な成果を記載することで、実務能力をアピールできます。

3. 企業のニーズとのマッチング

企業によって経理に求める役割は異なります。スタートアップでは「幅広い業務をこなせる柔軟性」が、上場企業では「高度な会計処理や監査対応の経験」が求められることが多いです。職務経歴書を通じて、企業のニーズに合ったスキルを持っていることを示す必要があります。

経理職務経歴書の基本構成

経理の職務経歴書は、採用担当者に実務経験やスキルを効果的に伝えるために、以下の構成で作成するのが一般的です

1.職務要約

 ◦これまでの経理経験を簡潔にまとめる(3~5行程度)。
 ◦業界や企業規模、経理業務の範囲を明記する。
 ◦強み(決算業務、財務管理、税務対応など)をアピールする。

2.職務経歴(会社ごとに記載)

 ◦会社名、所属部署、在籍期間を明記。
 ◦担当業務と実績を具体的に記載。
 ◦使用した会計ソフトやERPシステムを明記するとアピールにつながる。

3.保有スキル・資格

 ◦日商簿記、税理士試験科目合格、USCPAなどの資格を記載。
 ◦Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル)、SAP、freee、勘定奉行などの使用経験も記載。

4.活かせる経験・強み

 ◦経理スキルの中で特に強みとなるポイントを記載(決算、監査対応、資金繰り、業務改善など)。
 ◦自身の経験を活かせる業界・職種への適性を強調。

5.自己PR

 ◦財務戦略に貢献した経験や、業務改善・効率化の取り組みを具体的に記載。
 ◦数値を用いた成果をアピールすると効果的。

必要な情報の整理

職務経歴書の作成前に、以下のポイントを整理するとスムーズに作成できます

✅ 基本情報
・会社名、業界、従業員数
・勤務期間(○年○月~○年○月)
・所属部署、役職

✅ 経理業務の詳細
・仕訳・伝票処理の経験
・月次・年次決算対応
・原価計算、管理会計の実務経験
・税務申告業務(法人税、消費税、地方税など)
・監査法人や税理士法人との折衝経験
・予算管理、財務戦略の策定経験

✅ 使用ツール
・会計ソフト(SAP、Oracle、勘定奉行、freee など)
・Excelスキル(関数、マクロ、ピボットテーブル)

✅ 実績(数値を入れると効果的)
・「決算を通常10日かかるところを5日で完了」
・「キャッシュフローの改善により資金繰りを20%向上」
・「ERP導入により経費精算の時間を30%削減」

経理職の業務詳細については以下の記事をご参照ください。



財務管理の経験を強調するポイント

財務管理の経験は、単なる経理業務よりも上位のスキルとして評価されるため、強調するとキャリアアップにつながります

1. 具体的な役割と成果を示す

資金繰り管理:「資金繰り表の作成と資金調達計画の策定を担当し、年間5000万円のコスト削減を実現」
銀行折衝:「金融機関との折衝を担当し、追加融資○○億円を成功させた」
財務戦略:「予算策定・管理を担当し、経営層への財務レポートを作成」

2. コスト削減・収益改善の実績をアピール

・「経費精算フローの見直しにより、年間1,000万円のコスト削減」
・「キャッシュフロー改善策の導入により、資金調達コストを15%削減」

3. 経営層や他部署との連携を強調

・「経営層への財務レポーティングを担当し、意思決定の迅速化に貢献」
・「営業・購買部門と連携し、予算管理体制を強化」

経理職務経歴書の書き方のポイント

経理の職務経歴書を書く際には、単なる業務の羅列ではなく、「具体的な成果」や「スキルのアピール」を意識することが重要です。採用担当者に「この人は即戦力になる」と思わせるために、以下のポイントを押さえて作成しましょう。

① 職務要約:簡潔にキャリア全体をまとめる

ポイント

・3~5行程度で経理キャリアを要約
・企業規模、業界、経験年数、得意な業務を明記
・経理スキル・実績を端的に示す

例文

「上場企業の経理部門にて5年間勤務。月次・年次決算、税務申告、資金繰り管理を中心に担当。特に決算早期化に取り組み、月次決算の締めを従来の10日から5日へ短縮。業務効率化の推進により、経費精算プロセスを改善し年間500万円のコスト削減を実現。」

② 職務経歴:業務内容を具体的に記載する

ポイント

・会社ごとに「在籍期間・企業概要・担当業務・実績」を記載
・決算・税務・財務などの具体的な業務内容を明記
・数値を用いて実績を表現

例文

株式会社○○(2018年4月~現在)

会社概要:○○業界、従業員500名、売上高300億円
所属部署:経理部(5名)

職務内容
・月次・四半期・年次決算の対応(売上・費用計上、固定資産管理)
・法人税・消費税・固定資産税の申告業務
・資金繰り管理、銀行折衝(融資折衝、キャッシュフロー分析)
・会計監査対応、内部統制の強化

実績・成果
・月次決算の締めを10日から5日へ短縮(決算早期化プロジェクトを主導)
・経費精算システムを導入し、処理時間を30%削減、年間500万円のコスト削減に貢献
銀行折衝を担当し、追加融資5億円を獲得、財務基盤の強化に貢献

③ 保有スキル・資格を明確にする

ポイント

・業務に直結するスキル・資格を明記
・使用経験のある会計ソフト、ERPシステムを記載

例文

資格:日商簿記2級、税理士試験(法人税法合格)
会計ソフト:SAP、勘定奉行、freee
Excelスキル:VLOOKUP、ピボットテーブル、IF関数、マクロ作成

④ 自己PR:強みを具体的にアピール

ポイント

・数値を使い、定量的にアピール
・「業務効率化」「コスト削減」「経営貢献」など、影響力を伝える

例文

「決算早期化や業務改善に強みを持ち、社内業務フローの効率化を推進してきました。経費精算システムの導入プロジェクトでは、社内フローを整理し、処理時間を30%削減。さらに、資金繰り管理を強化し、銀行折衝を担当することで5億円の追加融資を獲得しました。経営層への財務レポーティングの経験もあり、財務分析を通じた経営支援が可能です。」

転職活動に役立つ職務経歴書サンプル

ここでは、

1.経理職に就いたことがない人向けの記載例
2.経理職の経験がある人向けの記載例

を紹介します。

経理職に就いたことがない人の場合の記載例

(他職種から経理職へキャリアチェンジを希望するケース)

職務経歴書

職務要約
営業職として○年間勤務し、売上管理や請求処理など、数字を扱う業務に携わってきました。日商簿記2級を取得し、経理・財務分野への転職を希望しています。業務を通じて培った「数字管理の正確性」「期日管理能力」「コミュニケーションスキル」を活かし、経理職としてキャリアを築いていきたいと考えております。

職務経歴
株式会社〇〇(2020年4月~現在)
業界・事業内容:IT企業(従業員300名・売上高50億円)
所属部署:営業部(5名)

担当業務
・クライアントへの提案営業(新規・既存)
・売上データの管理、分析、報告
・見積書・請求書の作成および処理(経理部との連携)
・与信管理(取引先の信用調査・回収リスク管理)

実績・成果
・売上データ分析の精度向上を実現し、営業戦略の改善に貢献
・見積・請求処理の業務フローを効率化し、作業時間を30%削減
・取引先の与信管理を徹底し、未回収リスクを20%削減

活かせるスキル・資格
・日商簿記2級
(2024年取得)
・財務・会計の基礎知識(売上管理、請求処理、与信管理経験あり)
・使用ツール:Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル)、Salesforce、freee

自己PR
営業職として売上管理や請求処理に携わる中で、数字の正確な管理や、経理部との連携を意識して業務を行ってきました。特に、売上データの分析を通じて営業戦略を改善し、業務効率化にも貢献しました。日商簿記2級を取得し、現在は財務会計の実務知識を深めるために独学を続けています。経理職として、正確な数字管理や業務効率化に貢献していきたいと考えています。

経理職の経験がある人の場合の記載例

(経理経験者がスキルアップ・キャリアアップを目指すケース)

職務経歴書

職務要約 経理職として○年間の実務経験があり、主に月次・年次決算、税務申告、資金繰り管理を担当してきました。特に決算早期化・業務効率化に注力し、月次決算の締めを10日から5日へ短縮するプロジェクトを主導しました。また、財務管理の経験も豊富で、銀行折衝を担当し5億円の追加融資を獲得した実績があります。今後はより経営に近い立場で財務戦略に携わり、企業の成長に貢献したいと考えています。

職務経歴
株式会社〇〇(2019年4月~現在)
業界・事業内容:製造業(従業員500名・売上高200億円)
所属部署:経理部(8名)

担当業務
・月次・四半期・年次決算の対応
・税務申告(法人税・消費税・固定資産税)
・資金繰り管理、銀行折衝、キャッシュフロー分析
・会計監査対応、内部統制の強化

実績・成果
・決算早期化プロジェクトを主導し、月次決算の締めを10日→5日に短縮
・経費精算システムの導入により、経費処理時間を30%削減(年間500万円のコスト削減)
・銀行折衝を担当し、追加融資5億円を獲得し、財務基盤の強化に貢献


活かせるスキル・資格
・日商簿記1級(2022年取得)
・税理士試験(法人税法合格)
・会計ソフト:SAP、勘定奉行、freee
・Excelスキル:VLOOKUP、IF関数、ピボットテーブル、マクロ作成

自己PR
経理・財務業務を通じて、企業の経営基盤を支える業務に取り組んできました。特に、決算早期化、コスト削減、資金繰り管理に注力し、効率的な経理体制の構築に貢献してきました。今後は、より財務・経営戦略に関与し、経営層と連携しながら会社の成長に貢献していきたいと考えています。

書き終わったら最終チェック

職務経歴書を書き終えたら、必ず 「誤字脱字」「内容の整合性」「アピールポイントの明確さ」 を確認しましょう
また、自分だけでなく 第三者(親族・友人・転職エージェント)に見てもらう ことで、客観的なフィードバックを得られます。

職務経歴書の内容を以下のポイントで見直します。

基本情報の誤字脱字はないか
 - 会社名、勤務期間、業務内容、資格などの表記ミスがないか確認

文章がわかりやすいか
 - 長すぎる文章を避け、簡潔で読みやすくなっているか
 - 業務内容や実績が整理され、分かりやすく伝わるか

定量的な実績が記載されているか
 - 「決算早期化を実現」→「月次決算の締めを10日→5日に短縮」 のように数値で説明できているか

転職先の企業に合った内容になっているか
 - 一般的な経理業務だけでなく、応募先企業の求めるスキル を意識した内容になっているか

フォーマットが整っているか
 - 項目ごとの見出し(職務要約・職務経歴・スキル・自己PRなど)が適切に配置されているか
 - フォントやレイアウトが統一されているか(Word/PDFでの見栄えも確認)

親族・友人に見てもらう

【メリット】

誤字脱字のチェック:第三者の目で確認すると気づきやすい
文章の分かりやすさの確認:「専門用語が多すぎる」「内容が伝わりにくい」などの指摘をもらえる

【ポイント】

・経理に詳しくない友人・家族に読んでもらい、「何をアピールしたいのか」が伝わるかを確認
「この文章、分かりづらいところない?」 など具体的に質問するとフィードバックを得やすい

転職エージェントに見てもらう

【メリット】

採用担当者目線でのアドバイスがもらえる(企業の求めるスキルに合っているか)
内容のブラッシュアップ:「もっとこう書くと魅力的になる」などの具体的な提案を受けられる
応募先企業に適したカスタマイズができる

【ポイント】

・転職エージェントは 応募する企業ごとに職務経歴書のカスタマイズをアドバイスしてくれる
「強みをもっと強調したほうがいい」「この実績を数字で示せる?」 など、具体的な改善案をもらえる

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まとめ

この記事では経理職の職務経歴書についてまとめさせていただきました。

この記事がお役に立てば幸いです。

執筆 ・ 監修

平川 文菜(ねこころ)

熊本出身。2018年京都大学卒業。在学中より税理士試験の勉強を始め、2018年12月に税法三科目(法人・消費・国徴)を同時に合格し、官報合格を果たす。 2018年9月よりBIG4 税理士法人の一つであるKPMG税理士法人において、若手かつ女性という少数の立場ながら2年間にわたり活躍。税務DDやアドバイザリーといった幅広い業務に従事。 2020年9月より、外資系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループに転職。戦略策定から実行支援まで幅広い業務に従事。2024年12月にフリーランスとして独立。