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後悔しない経理転職!注意すべき5つのポイントと必要なスキルを徹底解説

公開日:2025/07/08

最終更新日:2025/07/08

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「今の職場で経理として成長できるのだろうか」「もっと待遇の良い会社に転職したい」

経理職としてキャリアアップを目指す中で、転職を検討する方は少なくありません。しかし、安易に転職を決めてしまうと「思っていた業務と違った」「社風が合わない」といった後悔を招くことも。この記事では、後悔のない経理転職を実現するために、注意すべき5つのポイントと転職後に活躍するために必要なスキルを徹底的に解説します。

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経理転職で後悔する典型的なパターン

経理職に限らず、転職で後悔するケースには共通点があります。

業務内容が思っていたものと違う
 ◦入社後、経理というよりも雑務や庶務が中心だった

企業文化や上司のスタイルが合わない
 ◦業務の進め方が非効率で、ストレスを感じる

成長機会が少ない
 ◦前職よりルーティン業務の比率が増えた

待遇や労働時間に不満
 ◦想定より残業が多く、ワークライフバランスが崩れた

後悔のパターン 内容 具体例
業務内容が想定と違う 求人票と実務内容にギャップがある 「経理」と書かれていたが、実際は請求書発行や備品管理など庶務が中心だった
企業文化・上司との相性が悪い 組織風土やマネジメントスタイルが合わない 決裁が遅い、改善提案が通らない、上司が過干渉/放任すぎる など
成長機会が少ない 業務がルーティン化していてスキルが伸びない 毎月同じ仕訳・振込処理ばかりで、決算にも関与できない
労働環境が悪い 残業が多く、ワークライフバランスが崩れる 想定よりも繁忙期の残業が多く、家庭やプライベートに影響
評価制度が不透明 頑張っても昇給・昇進につながらない 上司の主観で評価が決まる、成果より年功序列が優先される

こうしたミスマッチを避けるには、転職前の情報収集と自己分析が不可欠です

後悔しないために!転職前に確認すべき5つのポイント

① 業務内容と求められる役割の確認

経理と一口に言っても、企業によって業務範囲は大きく異なります。以下の点を確認しましょう。

・日次業務(仕訳・伝票処理)
・月次・年次決算業務
・税務申告対応の有無
・連結決算・開示業務の有無
・経営管理(予算管理・KPI分析)への関与

求人票や面接だけでは分からないことも多いため、可能であれば社員インタビューや口コミサイトもチェックしましょう。

② 会社の成長フェーズと経理の立ち位置

会社のフェーズに合わせて以下の様に変化します。

フェーズ 特徴 経理に求められる役割 向いているタイプ
スタートアップ・ベンチャー 組織や仕組みが未整備。変化が速く柔軟性が必要 経理・総務・労務など幅広く対応。1人経理の可能性も 自走力があり、ゼロから仕組みを作りたい人
成長中の中堅企業 部署体制はある程度整備済。IPO準備中のケースも多い 決算対応や会計処理の精度向上。制度設計・業務改善にも関与 専門性を深めつつ、経理の枠を超えた経験を積みたい人
上場企業・大企業 分業が進み、業務は定型的かつ高度 担当領域のプロフェッショナルとして深い専門知識が求められる 安定志向で、特定業務を極めたい人。ワークライフバランス重視の人
再建・再編フェーズの企業 管理体制が混乱・改革中であることが多い 経理として内部統制の再構築や業務フロー改善に関与 カオス耐性があり、改革志向の強い人

自分がどのような働き方・成長を望むかによって、適した企業フェーズは変わります。

③ キャリアパスと評価制度の明確さ

将来的に管理職を目指すのか、専門性を高めてスペシャリストを目指すのかによって、企業選びの基準も変わります。評価制度や昇進基準、教育制度についても確認しておくと安心です。

④ 残業時間・ワークライフバランス

経理職は決算期に残業が増える傾向がありますが、年間を通じての労働時間や働きやすさも重要な判断材料です。面接時に「月の平均残業時間」や「繁忙期の働き方」などを具体的に確認しましょう。

⑤ 経理部門の人数と体制

経理担当が1~2名の場合、プレイングマネージャー的な役割が求められることもあります。一方で、逆に人数が多すぎると、一部分しか担当できずスキルが限定されることもあるため確認が必要です。

自身の成長に必要な「業務の幅」と「深さ」が得られる環境かを見極めましょう。

ポイント 確認すべき内容 解説
① 業務内容と役割 担当範囲(仕訳、決算、税務、開示など) 求人票に書かれている内容と、実際の業務が一致しているかを見極める。
② 会社の成長フェーズ スタートアップ、中堅、大企業など フェーズによって求められるスキルや働き方が大きく異なる。
③ キャリアパスと評価制度 昇進ルート、教育制度、評価基準 自分の目指すキャリアがその会社で実現できるか。
④ ワークライフバランス 残業時間、繁忙期の働き方、リモート制度 実際の働き方が自分の希望とマッチしているか確認が必要。
⑤ 経理部門の体制 人数、担当業務の分担、上司のタイプ 人数の多寡や分業状況が、自分の成長にどう影響するかを判断する。

転職後に活躍できる経理に求められるスキル・資格

転職成功のためには「今できること」だけでなく、「入社後に期待されるスキル」も把握しておくことが重要です。

分類 内容 解説
基礎スキル 日商簿記2級以上 実務経験があっても、簿記2級の取得は評価されやすい
ITスキル Excel関数、ピボットテーブル、ERP操作(SAP・勘定奉行など) 属人的な業務からの脱却にはITリテラシーが不可欠
会計知識 月次・年次決算、税務申告、原価計算、連結決算など 希望職種に応じた専門知識の深掘りが必要
コミュニケーション力 他部署・税理士・監査法人との連携 閉じた部署と思われがちだが、意外と対人調整が多い
業務改善力 業務フローの見直し、DX推進 マクロやRPAなどのスキルも歓迎されるケースあり

経理職で差をつけるためのおすすめ資格については以下の記事もご参照ください。

経理職に強い転職サービスの活用も有効

転職活動を成功させるには、自己分析や求人検索だけでなく、「情報の質」と「戦略的なサポート」がカギになります。特に経理職の転職では、職務内容の違いや企業ごとのカルチャーを把握するのが難しく、転職エージェントの力を借りることで、大きな差が生まれます

経理特化型の転職エージェントを使うメリット

メリット 内容
① 経理職専門の非公開求人にアクセスできる 一般の求人サイトには出ない、ハイクラスや成長企業の求人情報に出会える
② 書類添削・面接対策が手厚い 経理職特有のスキル・経験の見せ方を熟知しているので、書類の通過率が上がる
③ 自分の「市場価値」を客観的に把握できる 年収相場や評価されるスキルを把握することで、自信を持って交渉ができる
④ 企業の「内部情報」を教えてくれる 面接官の傾向、残業の実態、経理部門の雰囲気など、リアルな情報が得られる
⑤ 現職との兼ね合いを考慮して動ける 面接スケジュールの調整や条件交渉を代行してくれるので、仕事と両立しやすい


転職エージェントを最大限活用するためのポイント

1.希望条件を明確に伝える
 業務範囲、年収、ワークライフバランス、キャリアパスなど優先順位を整理し、エージェントに共有する。

2.職務経歴書を一緒にブラッシュアップしてもらう
 経理職では、関与した決算の規模・内容、改善実績、使用した会計ソフトなどの具体性が重要。

3.「断られた理由」も教えてもらう
 書類選考で落ちた場合も、改善点を聞くことで次に活かせる。

4.複数のエージェントを併用する
 一つのサービスに頼らず、複数を併用することで求人の選択肢や視点が広がる。

なお、ミツカルでは経理職のための職務経歴書の書き方ガイドも提供しています。

職務経歴書の書き方については以下の記事をご確認ください。

転職活動の成功には「情報の質」と「行動の早さ」がカギ

経理職の転職市場は、慢性的な人材不足の影響で求人数自体は多い傾向にあります。しかしその一方で、好条件の求人には応募が集中し、あっという間に募集が終了するのが現実です。後悔のない転職を成功させるためには、「いい求人が出たら考える」のではなく、事前準備と素早い行動が求められます

情報の「質」が転職の成否を分ける

転職サイトに掲載されている情報だけでは、企業の本当の姿は見えてきません。同じ「経理職」でも、企業によって担当範囲・裁量・働き方はまったく異なります

質の高い情報とは?

求人票に書かれていない実情
 ◦実際に担当する業務、使用している会計ソフト、残業の有無など

職場の雰囲気や経理部の立ち位置
 ◦経理が単なる「記録係」なのか、「経営に近い存在」なのか

上司や同僚の人柄・マネジメントスタイル
 ◦ストレスの少ない職場か、放任型か、細かく指示があるか

前任者が辞めた理由や定着率
 ◦人の入れ替わりが激しい理由があれば要注意

これらの情報は、自分ひとりで調べるには限界があります。信頼できる転職エージェントの支援を受けることで、情報の「深さ」と「確度」が一気に高まります

行動の「早さ」がチャンスを逃さないカギになる

経理職の求人には「急募」が多く、採用スピードが非常に早い企業も少なくありません。特に、次のような企業では1〜2週間で内定が出ることもあります

・決算期直前で人手が足りない企業
・IPO準備中のベンチャー企業
・経理責任者や管理職の退職に伴う緊急補充

つまり、「迷っているうちに求人が消えた」「書類の準備に手間取り、他の人に決まってしまった」という事態は珍しくありません。

行動を早めるためにやっておくべき準備

項目 準備内容
履歴書・職務経歴書 決算経験・使用ソフト・改善実績などを明記して事前にブラッシュアップしておく
希望条件の整理 年収、勤務地、業務範囲、キャリアパスの優先順位を可視化する
面接練習 自分の強みや転職理由を「自信をもって話せる形」にしておく
家族の理解 勤務時間や転勤の可能性など、必要な相談は事前に済ませておく
スケジュール管理 面接調整のために、平日で動ける日をある程度確保しておく


情報戦とスピード戦の両方を制する

転職活動は、「じっくり構えていればそのうち理想の求人に出会える」といった受け身の姿勢ではチャンスを逃します

情報の質と行動の早さを両立させるためには、

・定期的に求人をウォッチする
・エージェントと連携して非公開情報を入手する
・チャンスが来たらすぐに動けるように準備を整える

といった攻めの姿勢が不可欠です。

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まとめ

経理職の転職は、表面的な待遇や社名だけで判断すると後悔する可能性が高くなります。自分にとって「本当に働きやすく、成長できる職場とは何か?」を見極めることが何より重要です。

事前準備と自己分析を丁寧に行い、納得のいく転職を実現させましょう。

この記事がお役に立てば幸いです。

執筆 ・ 監修

平川 文菜(ねこころ)

熊本出身。2018年京都大学卒業。在学中より税理士試験の勉強を始め、2018年12月に税法三科目(法人・消費・国徴)を同時に合格し、官報合格を果たす。 2018年9月よりBIG4 税理士法人の一つであるKPMG税理士法人において、若手かつ女性という少数の立場ながら2年間にわたり活躍。税務DDやアドバイザリーといった幅広い業務に従事。 2020年9月より、外資系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループに転職。戦略策定から実行支援まで幅広い業務に従事。2024年12月にフリーランスとして独立。