ミツプロに会員登録する
3つのメリット

無料で会員登録する

INDEX

おすすめ記事

記事を全て見る

税理士の仕事内容とは?とある1日のリアルスケジュールを大公開!

公開日:2025/06/05

最終更新日:2025/06/05

INDEX

「税理士って、実際どんな仕事してるの?」
そう聞かれて、明快に答えられる人は意外と少ないかもしれません。
記帳、申告、相談対応——確かにそれも大事な業務ですが、それだけでは語り尽くせないのが今どきの税理士の仕事です。
経営者の伴走者として、現場に出て、戦略を語り、時に社外役員として意思決定にも関与します。
その一方で、2月〜3月の確定申告や決算期には、朝から晩まで書類と格闘する日々も。
本記事では、そんな“リアルすぎる税理士の一日”と年間スケジュールを公開しつつ、今求められるスキルや働き方の選択肢まで掘り下げます。
「なんとなく」では済まされないプロの世界を、今一度見直してみませんか?

会員限定公開!【2025年版】
働きがいのある会計事務所特選
2025年版 働きがいのある会計事務所特選
優良事務所90社のインタビューから、税理士業界の最新動向と事務所選びのポイントを凝縮した業界専門誌を無料公開中!
ミツプロ会員は会計事務所勤務に役立つ限定コンテンツをいつでも閲覧できます。

⇒無料で会員登録して雑誌を見る

税理士の主な仕事内容とは?

税理士の業務は大きく「独占業務」「付随業務」「コンサルティング業務」の3つに分類されます。

① 独占業務(税理士だけが行える仕事)

税務代理:納税者に代わって税務署への申告や申請、不服申し立てなどを行います。
税務書類の作成:確定申告書や法人税申告書などの専門性が高い書類を作成。
税務相談:顧問先や個人からの税に関する相談に対応し、アドバイスを提供します。

② 付随業務(税務以外のサポート)

・記帳代行・会計業務
・経営や資金繰りに関するアドバイス
・税務調査立会や資料作成支援
・相続・事業承継対策
・社外役員や会計参与としての活動

③ コンサルティング業務(付加価値業務)

・経営計画の策定支援
・事業再構築支援
・M&Aや株式評価
・相続税対策のシミュレーションとアドバイス

最近では、単なる「税の計算屋」ではなく、企業の経営パートナーやファイナンシャルアドバイザーとしての側面が強まり、より広範囲かつ高度な支援が求められています

繁忙期はいつ?税理士の年間スケジュールを徹底解説

税理士の仕事は季節によって波があります。特に確定申告や決算時期は業務が集中し、「繁忙期」と呼ばれる時期に突入します。一方で、比較的余裕のある「通常期」にはコンサルティングや内部業務に注力できるのが特徴です。

年間のスケジュール概観

主な業務内容 繁忙度
1月 年始業務/法定調書提出 繁忙期
2月 確定申告受付開始/相談対応 超繁忙期
3月 確定申告締切/決算業務集中 超繁忙期
4月 新年度決算処理 繁忙期
5月 法人税申告/決算対応 繁忙期
6月 住民税通知対応/通常業務 通常期
7月 中間申告対応/夏季業務 通常期
8月 お盆休み/通常業務 通常期
9月 9月決算/中間申告対応 繁忙期
10月 決算処理/相続税申告 繁忙期
11月 年末調整準備/法人対応 繁忙期
12月 年末調整本番/年内業務締め 繁忙期


特に忙しい「超繁忙期」とは?

税理士にとって最大の山場は2月〜3月の「確定申告シーズン」です。

▷ 対応業務:

・個人事業主・フリーランスの所得税申告
・医療費控除や住宅ローン控除の申告サポート
・資料整理や顧客との面談、税額計算、提出作業

▷ 特徴:

・土日返上は当たり前
・夜間まで作業が続くことも
・スタッフ増員や短期バイトの活用も一般的

法人対応での繁忙ポイント

法人対応に関しても、3月決算企業が多いため5月に申告期限が集中します。

また、法人には決算月の翌々月末が申告期限というルールがあるため、年間を通じて「決算対応月」が発生します。例えば、

・3月決算 → 5月末申告
・9月決算 → 11月末申告

このため、税理士は法人の決算月に応じて業務が断続的に繁忙化します。

通常期は「コンサルティング業務」の時間

6月〜8月など比較的余裕がある「通常期」には、以下のような業務に力を入れられます。

・顧問先の経営相談
・資金繰り・資金調達支援
・新規顧客の開拓・営業
・社内体制の見直しや業務改善
・M&Aや事業承継の支援

この時期に「高付加価値の業務」を強化することが、事務所の収益性向上にもつながります。

【密着】税理士の1日スケジュール(平日)

ある税理士のリアルな平日スケジュールを公開します。

時間 内容
6:30 起床、身支度(身だしなみは信頼の第一歩)
7:00 朝食+ニュースチェック(日経&税制改正情報)
8:30 出社、メールチェックと当日の予定確認
10:30 顧問先企業の社長と定例面談(帳簿・経営相談)
13:00 社外取締役としての役員会議出席
15:00 顧問先カフェの新店舗視察(現場確認)
16:15 面談資料や顧客情報の整理・資料作成
18:00 採用面接(人材育成やチーム形成も重要な仕事)
19:30 帰宅&家族と夕食(ワークライフバランス重視)
23:00 就寝(翌日の予定確認も欠かさず)

このように、事務所内だけでなく、顧問先の現場や役員会、面談など「外」に出る業務が多いのが今どきの税理士の特徴です。

6:30 起床・身支度

・一日の始まりは早めの起床から。
・経営者や士業仲間との対面が多いため、服装や髪型など外見にも気を配るのがプロの心得

7:00 朝食・情報収集

・朝食をとりながら日経新聞やネットニュースで業界動向や税制改正情報をチェック
・税理士は法改正に常にアンテナを張る必要があり、朝の情報収集は欠かせません。

8:30 出社・メールチェック

・事務所に到着後、まずはメール確認とスケジュール整理
・顧問先からの質問対応や税務署からの連絡にも即対応できるように準備を整えます。

 10:30 顧問先の社長と定例面談

・月1回の顧問面談。内容は会計帳簿のチェックに加え、新規事業の採算性や資金繰りの相談まで。
・経営者との信頼関係を築くうえで、税務だけにとどまらない視点が求められます。

 13:00 社外取締役として役員会に出席

・社外役員として顧問先の経営会議に参加。設備投資の判断や節税戦略への意見を提供
・単なる税理士にとどまらず、企業経営に深く関わる役割を担っています。

15:00 顧問先の店舗を視察

・新規出店したカフェ店舗を訪問。現場の空気感、客入り、スタッフの動きなどを観察
・書類だけではわからない「リアルな経営の肌感覚」も重要な情報源です。

16:15 面談資料の準備・リサーチ

・翌日の面談や新規顧客向けの提案資料を作成。
・併せて、業種特有の税制や支援制度などもリサーチし、精度の高いアドバイスを準備します。

18:00 採用面接

・事務所スタッフの採用活動にも関与。
・忙しい時期に備え、優秀なサポート人材を見極める目も求められます

19:30 家族と夕食

・子どもと一緒に食卓を囲み、仕事モードから家族モードへスイッチオフ。
ワークライフバランスを意識的に整えることが、長く働き続けるコツです。

23:00 就寝

・ベッドに入る前に翌日の予定を軽くイメージしながら就寝。
・頭の中を整理してから眠ることで、翌日のスタートがスムーズになります。

税理士という仕事の魅力とは?

税理士は「数字と法律の仕事」と思われがちですが、実は非常に人間味あふれる仕事でもあります。以下、その魅力を4つにまとめます。

① 社会的使命のある仕事

税の公平性を守ることで、社会インフラの一端を担う立場。公共性の高い、誇りある職業です。

② 高い専門性と安定性

税務代理や税務相談は国家資格を持つ税理士でなければ行えない「独占業務」。資格による安定性と希少価値が魅力です。

③ 出会いと学びに満ちた環境

顧問先の経営者、弁護士、司法書士など、あらゆる専門家と関わるため、人脈と知見が自然と広がります。

④ 多様なキャリアパス

・税理士法人勤務:経験を積んで独立も可能
・独立開業:顧客と長期関係を築ける自由な働き方
・企業内税理士:経理・税務の専門人材として安定した環境
・コンサルタント:経営課題のアドバイザーとして活躍

ワークライフバランスは取れるの?

「税理士って激務じゃないの?」「いつも忙しそうで家に帰れないんじゃ…?」

そんなイメージを持つ方も少なくないかもしれません。結論からいえば、ワークライフバランスが「取れるかどうか」は、所属先や働き方によって大きく異なります

バランスが「取りやすい」ケース

法人系税理士事務所(中堅以上)や大手税理士法人

・業務フローが整っており、チーム制で業務分担されている
・フレックスタイムや在宅勤務などの制度も整備されている傾向あり。
・18:00〜19:00には退社できることも珍しくなく、プライベートと両立しやすい環境が整っています。

通常期(6〜8月など)の落ち着いた時期

・確定申告や決算ラッシュを過ぎたタイミングでは、比較的自由な時間を確保できる
・コンサルティングや社内改善など、自分のペースで進められる業務が中心になります。

バランスが「取りづらい」ケース

❌ 確定申告・決算などの繁忙期(2月〜5月、9月〜12月)

・連日深夜残業、土日返上という働き方もまだ根強く残っています。
・顧問先からの問い合わせ対応、税務署への申請、申告書作成など「時間に追われる日々」が続きます。

❌ 少人数の事務所や属人的な業務設計の職場

・所長一人がすべての進捗を管理しているような小規模事務所では、自分の仕事に他人が手を出せず、結局「自分だけが忙しい」状態になりがち。
・アナログな業務フローが残っていると、手間のかかる処理や紙の書類対応に時間が吸われるのも現実です。

「取れない」と感じたら──転職という選択肢もあり

もしあなたが現在、

・「休みが取れない」
・「家族との時間が持てない」
・「繁忙期が終わっても終電」

といった状況にあるなら、働く環境そのものを見直すべきタイミングかもしれません。

▶ 転職の方向性としては以下があり

転職先タイプ 特徴・メリット 向いている人 注意点
中堅〜大手税理士法人 ・分業制が確立されており残業が少ない
・教育制度・福利厚生が充実
・時短勤務や在宅勤務導入が進んでいる
・働き方を改善しつつ専門性を磨きたい
・チームでの仕事に抵抗がない人
・繁忙期はそれなりに忙しい
・昇進スピードは組織次第
企業内税理士(経理・財務部門) ・安定した勤務時間、土日祝休み
・残業が少なめで福利厚生が手厚い
・育児・介護との両立も可能
・安定した生活を求めたい
・税務に加えて経理スキルも習得したい
・税理士としての「代理業務」は行わない
・昇進ルートは経理職に近づく傾向
スタートアップ(税務Tech、クラウド会計系) ・フルリモートやフレックス導入が一般的
・業務効率化志向で残業が少ない
・若手でも裁量が大きい
・自律的に働きたい
・ITやSaaSに抵抗がない
・急成長中のため制度が未整備なことも
・環境変化に柔軟に対応できる必要あり
監査法人の税務部門 ・大規模法人税務や国際税務に携われる
・残業管理が厳しく、超過労働が少ない
・ハイブリッド勤務が可能
・高度税務に挑戦したい
・キャリアアップと安定を両立したい
・スペシャリスト志向が求められる
・忙しさはチームと配属案件に依存

特に近年では、「働きやすさ」を重視する事務所や企業も増加中です。ワークライフバランスを求めて転職する税理士は少なくありません

会員限定公開!【2025年版】
働きがいのある会計事務所特選
2025年版 働きがいのある会計事務所特選
優良事務所90社のインタビューから、税理士業界の最新動向と事務所選びのポイントを凝縮した業界専門誌を無料公開中!
ミツプロ会員は会計事務所勤務に役立つ限定コンテンツをいつでも閲覧できます。

⇒無料で会員登録して雑誌を見る

まとめ

税理士は、単に「税金の計算をする人」ではなく、企業経営に深く関わり、時に未来の戦略を共に描く「パートナー」です。

・社会に貢献したい
・専門性を磨きたい
・人と関わる仕事がしたい
・自分の裁量で働きたい

そんなあなたにとって、税理士という仕事はきっと魅力的な選択肢であるはずです。

この記事が皆様のお役に立てば幸いです。

執筆 ・ 監修

平川 文菜(ねこころ)

熊本出身。2018年京都大学卒業。在学中より税理士試験の勉強を始め、2018年12月に税法三科目(法人・消費・国徴)を同時に合格し、官報合格を果たす。 2018年9月よりBIG4 税理士法人の一つであるKPMG税理士法人において、若手かつ女性という少数の立場ながら2年間にわたり活躍。税務DDやアドバイザリーといった幅広い業務に従事。 2020年9月より、外資系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループに転職。戦略策定から実行支援まで幅広い業務に従事。2024年12月にフリーランスとして独立。